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グランドスラム (Grand Slam)は第二次世界大戦中の1944年末頃にイギリス空軍が用いた超大型爆弾である。 バンカーバスターの一種で、重量は22,000ポンド(約11トン)あり、これより前に完成した12,000ポンド(約5トン)の爆弾トールボーイの約2倍の威力を持っている。どちらも、小型爆弾では有効な攻撃を与えられない巨大な建造物や、堅牢な構築物を破壊するために製造された。現在までの実戦で用いられた通常爆弾の中では最大である。 == 開発の経緯 == 地震爆弾と呼ばれた爆弾についての構想は、イギリスの航空エンジニア、バーンズ・ウォリスが第二次世界大戦の開戦直後から持っていた。しかし、この時には10トンもの爆弾を載せられるだけの爆撃機がなかったため、彼はその設計を一旦棚上げとした。 最初の地震爆弾は5トン級の「トールボーイ」として開発された。この爆弾は、巨大な構築物、とりわけ堅牢に構築された陣地(バンカー)に対して有効で(後のバンカーバスターと同じ用兵)、その効果は第617飛行中隊により、実戦で証明された。 アブロ ランカスター B.I スペシャルと呼ばれる爆撃機にトールボーイを搭載できることが判明した時点から、ウォーリスはトールボーイを更にスケールアップした「グランドスラム」の開発に取りかかった。設計は空力を重視し、長い尾部にはフィンが取り付けられている。このフィンは、爆弾を回転させる作用を持ち、銃のライフリングと同じ原理で安定性と命中精度を高めることとなった。これらはトールボーイから得られた知見である。この爆弾もトールボーイと同様に投下時に音速を超えるが、安定性を保つことができたため音速障壁に左右されなかった。 第二次世界大戦で標準的に使われた爆弾と違い、グランドスラムもトールボーイと同じように、目標の障害物を貫徹する時に爆発しないように、コンクリート型でサンドモールド鋳造された高張力鋼の外殻を持っていた。炸薬は熱く溶融した状態でバケツリレーで注入された。炸薬にはトーペックスが用いられたが、装填前に外殻を1ヶ月安置して冷却する必要があった。 トールボーイと同様、製造工程は複雑であり、ひとつひとつの爆弾に膨大な材料と人手が必要なため、単価はたいへん高価なものとなった。このため、作戦が中止になったような場合でも、安全のために海中に投棄するようなことはせず、爆弾を搭載したまま帰投した。 40,000フィート(約12,000m)から投下した時、地表より40mの深さまで貫通した。結果的に、対壕地雷のような形になり、上部の構築物の基礎を揺るがして崩壊させる効果があった。これはまさに、グランドスラムの最初の標的となったビーレフェルト鉄道陸橋で実際に起こったことである。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「グランドスラム (爆弾)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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